永遠の片想い
二人の関係を知ったきっかけは、突然だったらしい。

コータくんと遊んでいたある日、たまたま寄った本屋で佳祐達に会い、声をかけた事だったとか。

振り返った彼女の存在に、息が止まりそうになったとマリは言う。


「その日からよく遊ぶようになってね…絵里奈が佳祐くんを好きな事、私が一番近くで見てきたのに、最低だよね」


マリは"ごめん"と、小さく俯いた。

現実を知ったあの日は、隠されてた事が悲しくてショックで、他の人の気持ちなんて考えられなかった。

でも少し時間が経った今なら、色んな事がわかるよ。

マリが先輩を慕っていた事も、私と顔を合わせる度どんなに苦しかったかも。


「多分、私の方が最低だよ」


本当に、私は最低だ。
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