永遠の片想い
佳祐の温もりに包まれた右手は、本当に愛しくて。

離れたくないと思った気持ちも、決して嘘じゃない。


だけど佳祐には、私より大事にしたい人が居て、私にも今、佳祐より大事にしたい人が居る。


それでも、佳祐を好きだと想う気持ちは"幻"なんかじゃないから。

だからこそ、こんなにも胸が痛くて、苦しくて、切なくて、どうしようもないんだろう。


そっと、右手からすり抜ける指。

私は、繋ぎ止める術を知らなかった。


「絵里」


静かな公園の中に響く、佳祐の優しい声。


「俺も、好きだった」


今日だけは、真っすぐに私を見つめてくれている。


「絵里の事、ちゃんと好きだったよ」
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