永遠の片想い
「ごめんね」


今だ悲しそうにするアツシの頭を、ポンっと撫でる。


「何で…謝るんですか?」

「あんた、ミサキちゃんの事好きなんでしょ?シュンくんもその事知ってんのにさ…本当、ごめんね」


そう言い残し、私は電車に乗り込んだ。


「絵里奈さ…っ!」


アツシの声を、発車音と扉が掻き消す。

脳裏に焼き付いている、ミサキちゃんの勝ち誇ったあの顔が、私を憂鬱にさせる。


よりによって、何で今日なんだろうか。

私だって、シュンくんの為だけにケーキ作ったんだよ?

渡す事も出来ないまま、家へと引き返す私は、何て情けないんだろうか。


目を閉じると、悲しくて、苦しくて。

どうしようもなかった。
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