永遠の片想い
「待って…っ!」


強く捕まれた腕に、期待する私。

だけど、振り返った先にいたのは、悲しい顔をしたアツシだった。


「シュン先輩じゃなくて、すいません」


そう言って、申し訳なさそうに頭を下げるアツシに、私は小さくため息をつく。


「てかさ、あんたが私追い掛けてきたら、ミサキちゃんの思うつぼじゃん」


どんな理由からにしろ、彼女はシュンくんと二人きりの空間を手にしたのだから。

ハっと笑いそう言うと、アツシはまた"すいません"と小さく謝った。


「もういいよ。私も、腹立ってシュンくんと居られそうになかったし」


とにかく、この場所から離れたかった。

頭の中では、嫌な想像ばかりが膨らむ。
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