永遠の片想い
一週間程が経ち、カレンダーは3月に入った。

春風にしてはまだ冷たい夜道に、何となく寂しくなる。


制服姿のまま街中に居る私は、もうすぐこの場所を離れるんだ。

過ぎる時間の分だけ、リアルさが増す。


人並みに視線を映すと、そこに佳祐の姿が見えた。

佳祐を一番好きだった頃は、どんなに願っても会えなかったのに。


そう思うと、何だか笑えてしまう。

私に気付いた彼は、小走りで駆け寄ってきた。


「何してんの?」

「フラついてた。佳祐は?」

「俺は最後のバイト帰り」

「そっか」


佳祐は、私の隣にそっと座り込む。


「卒業式の後、集まるだろ?」

「うん。着替えたらすぐ行く予定」
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