永遠の片想い
佳祐はポケットから携帯を取り出し、着信の相手を確認すると、すぐにまたポケットへと携帯を押し込んだ。


「出なくていいの?」

「コータだから、あとでかけ直す」


吐き出す煙りは、風に揺られ高く舞い上がる。


「色んな事があった、3年間だったね」


思い返すと、何だか寂しくなる。


「これ、今までのありがとうと、これからの頑張ってを込めて」


そう言って、私は佳祐に細長い箱を渡した。


「何だよ、これ」

「最初で最後のプレゼント」


佳祐はゆっくりと、箱に手をかける。


「おっ、ネクタイじゃん」

「もう社会人になるんだしね、佳祐も」


"使ってね"と笑うと、佳祐は嬉しそうな顔を見せた。
< 364 / 402 >

この作品をシェア

pagetop