永遠の片想い
「今日は先約なし?」


帰り際、そう言いながらマリが駆け寄ってきた。


「今日は大丈夫だよ。どうした?」

「カラオケ行かない?」


私は"いいよ"と言って、鞄を手にとる。


「久しぶりに歌いまくろう」


そう言ってはしゃぐマリがかわいくて、つられて私も笑った。

下駄箱に行くと、掲示板の前に先輩達が集まっていた。


「あ、ユキ先輩」


マリの声に振り向いた彼女は、同性である私でさえ見とれてしまう容姿を持つ、栗色のロングヘアが似合う女性。


「マリじゃん。久しぶり」


そしてその顔から出る声は、聞き惚れてしまう程にキレイだった。

思わず吸い込まれそうになる瞳は、どこか佳祐を思い出させる。
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