うちの兄弟★
「おいっ!!
何やってるんだ!!」

「やっべっ・・・」

「こら待てっ!!」

天からの声か、どこからかおじさんの声が聞こえ、直人は暗闇に逃げていった。

私も・・・。
私も早く帰りたいよ・・・。

また涙が出ていた。

まだあいつの声が耳から離れない。

切ったところは脈うち、キスマークをつけられたところにも、あいつの唇の熱さが残っている。

最低・・・。

あんなやつに・・・。


涙で前が見えない。
でも家までもうすこし・・・。

笑顔で帰んないと、皆心配するよね??

でもさすがに傷が痛いよ・・・。

心も体フラフラな私は、何とか足を引きずり、家の門までたどりついた。

だけど、なぜか今一番会いたくない人が門の前にいた・・・。
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