うちの兄弟★

「・・・」

また泣けてきた。

泣くな私っ。でも、ずっと欲しかったのはこの手・・・。

ずっとみたかったのは・・・この背中なんだもん・・・。

私達は、運良く誰にも見つからずに部屋へ行く事ができた。


ここが、雅人さんの部屋・・・??

やっぱり広かった。

雅人さんは私をキングベッドに座らせると、救急箱を持って来た。

「・・・。浅くて良かった・・・」

「・・・いっ・・・」

傷口に消毒がしみる。
だけどこんなの、全然痛くなかった。

雅人さんの事考えてる時の方が、よっぽど苦しいし痛いよ・・・。


「・・・」

腕を包帯で巻き終え、ふと顔を上げると、雅人さんと目があった。

かなり近い・・・。

心臓の鼓動がうるさい。ドクドク・・・ドクドク・・・・

そしてふと雅人さんの視線が、キスマークへとうつった。

一番見られたくなかった。
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