うちの兄弟★
一瞬雅人さんの表情が、もの凄く険しくなったように見えたが、すぐに切ない表情にもどった。

ゆっくりと雅人さんの細長い指が、キスマークへと伸される。

そんなに見ないで??

そんな切ない顔しないで??

「・・・・・やめて??」
「兄弟だから??」

雅人さんの発した声は、とても冷たかった。

「・・・私、見たんです・・・。雅人さんが、学校のトイレで・・・」

思い出しただけで涙がでそうになる。

悔しいけど、私多分雅人さんの事が好きだった・・・。

「・・・だから、もう雅人さんの事は忘れようと思って、今日だって行ったんだし・・・」

「・・・あれ、わざと・・・。」

「・・・へっ?!」

雅人さん・・・??

さっきまでの雅人さんはどこ??

鋭い目付き・・・。
だけど月明りを浴びて、とても色っぽい・・・。
余裕で私を責めようとしてる・・・


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