運命の歯車-不思議の国のアイツ-


「紅蓮に喧嘩を売ったお前が悪いんだよ。」



そう言って、男達は、一斉にジュン目がけて殴りかかってきた。



ジュンは、ただひたすらに彼女に手が届かないように、彼女の前に盾として立ち続けるしか、できることはなかった。







「お前ら・・・覚えてろよ・・・」



血まみれになりながら、アスファルトに倒れていたジュンが、声を上げた。



「おい、まだ、こいつ生きてるぜ。」



男達の一人が、気づき、倒れているジュンにケリを入れる。



ボカッ!!



倒れているジュンの腹に入ったケリが鈍い音をたてた。



「ウッ!」



うめき声を上げるジュン。



その状態で、男達を見ると、汚れた目でジュンの彼女の周りを取り囲んでいるのが見えた。



ジュンの目に、彼女の酷く怯えて、今にも泣きそうな表情が飛び込んできた。


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