拝啓、カミサマ【短編】

それでもあなたは



あのランプが点いてから、何時間がたっただろう。

私はずっと、消毒液の匂いのするここになし崩し的に横たわったまま。動いていない。


「…―ちゃん、何か食べないと…」

ぶらりの、お母さん。
ずっと、動かない私の所にコンビニの袋を置いていってくれた。
色んなものが、私の中には長く留まらず抜け落ちていく。
いつもとあまり変わらないのに、気持ち悪い。

涙も出ない。

何も出て来ないからか、寒いような、暑いような、思考が停止しているような、目まぐるしく思考しているような。

おかしくなりそうな、そうでもないような……まるでとてつもなく高い場所を歩いているような気持ち悪さ。



脳がおかしくなってる。気がする。

身体を動かすことにまで意識が向かない。











ぶらり




ぶらり






届かないって、わかってるのに……

溢れ出して、止まらない。
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