桜の雨~誓い 次世代編~
それからさくらは
修学旅行のお土産話をした。

悠斗は相槌を打ちながら
ちゃんと聞いてくれた。

その後はまた、別の話。

悠斗の誕生日が近い事もあって、
名前の由来の話になった。

「さくらちゃんは、
自分の名前の由来を
訊いた事がある?」

「…ううん。
そもそもね、
あたし自分の名前が
あまり好きじゃないの。」

「えっ、そうなの?」

「うん…。
桜って、咲くと
それなりに綺麗だけど、
散るのもあっという間
じゃない?
それが嫌だったの。」

「でも、由来を訊いたら
きっとその思いも
変わるよ。」

「そうかな…?だといいなぁ。」

「訊いてみる事から始めよう。
それから好きに
なればいいんじゃない?」

「…だね。訊いてみるよ。」

さくらは夜、圭吾に
訊いてみる事にした。
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