poker face
自分の心の中でもまだ、揺らぐものがある。
本気でやろうとは思えない。
結構な重労働だし、おじさんの相手だし・・・。

「もしやる気ないんだったらやめてね」
俯いていた顔を上げる。

「一番になりたいなら、働いて」

「二番目じゃ駄目。私を抜いてみて」

急に突きつけられたその言葉。

あたしでも、一番になれるの?

「・・・あたしみたいなのでも、一番になれるんですか?」
思ったことを口にする、悪い癖。

「可能性はいくらでもあるよ?
それをどこまで狭くするかは自分次第」

揺るぎないその目に、あたしは頷いた。

そして言ったんだ。この日、この場所で。

「一番になります、絶対」

言ってはいけない、その一言を。


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