本当の私は誰ですか?恋の魔法をかけられた身代わり姫
『さっき美晴さんが二千翔を抱き上げた時、



一葉さん泣きそうでしたよ。』




私が泣きそうだったなんてあり得ない。




美晴に抱かれたのはビジネス。




それしかない。




美晴は酔った勢いで私を抱いた。




何回も二千翔と囁きながら、私を抱いたんだ。




あの時の私は私であって私ではない。




私に課せられた任務を果たすだけ。




雇い主に恋愛感情を持つなんてもっての他。




今まで一度もミスした事などない。




『一葉さんもしかして、僕が言った事図星ですか?』



「秀平君が何を勘違いしてるかしらないけど、



私は美晴さんの事はなんとも思ってなくてよ。」







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