キミの手 キミの体温
「どうしてっ? あんなの……白奈の八つ当たりだったのに……周助バカだよ!」
「うるせぇな。放っとけなかったんだから仕方ないだろっ」
「それがバカだよっ! もし白奈が飽きたらポイッてする娘だったら……振り回されて傷付くのは周助なのに」
真正面で喚いていた白奈の眼差しがじっと俺の瞳を捉えて離さない。
そのうち食い入るような視線が揺れ始め、
「ずっと……あたしだけが好きになっちゃったんだって思ってた……」
「……んなワケないだろ」
じわっと潤んだ瞳一杯に涙が溜まっていった。
好きでも無いヤツに振り回されてやるほど俺だってお人好しじゃないからな。