キミの手 キミの体温

激しくなった動悸を抑えようと短い息をわざとらしく吐いてみせる。



せっかく下がった熱がまた上がりそうだ……。



「わかったから。とりあえず退け」


「ねぇ周助」


「……聞いてねぇし。体勢がキツイからとにかく退い……」



未だに俺の上に乗ったままの白奈を退かせようとポンポンと後頭部を叩けば、



「千愛と付き合ってるとき何回キスした?」


「は、はぁっ!?」



それを無視してとんでもない質問をされて思わず動悸がぶりかえした。



いきなりキスって……。
なんつーこと言い出すんだよコイツは……。



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