とんでも腐敵☆パートナー
「は、拝島のやつか!? あのお喋り野郎!」
 
「いえ、高地さんって、近隣大学でも結構有名ですから。色々、噂を耳にしてますよ。もう伝説になってます」
 
 と真昼。
 
「えっ、そうなんだ!? 二人とも、高地さんのこと噂で知ってたんだ!?」
 
 そいつはびっくり。初耳デスヨ!
 
「まぁちょっとだけね。知り合いの子がナンパされたからどんな人かは聞いてたのよ」
 
 祥子が言うと、
 
「あたしも高地さん主催の合コンに友人づてで何回か誘われたから。全部断ったけど。
合コンしまくってるから知り合いが多いんですよね? 高地さん」
 
 真昼も笑顔で容赦なく追撃する。
 
 最早戦いは一方的なものと化していた。
 
 地雷だらけの敵陣地で、迎え撃つ敵の集中砲火を浴びた突撃兵といったところの高地さん。
 
 ひくひくっと笑みを引きつらせて硬直しっぱなし。
 
「グリコちゃん……」
 
 いやあたしにそんな救いを求めるような目を向けられても……。お笑いキャラのよしみってやつ?
 
「えーと……そろそろお昼ごはんにします?」
 
 とりあえず適当に話題を提供してみると。
 
「そっ、そうそう! そろそろお昼ごはんだよね! うん、腹ぺこぺこだよオレ! よしっ、みんな、岸にあがろうぜ!」
 
 動揺を隠しきれてない滅茶苦茶不自然な様子で、高地さんは岸に猛ダッシュして行った。
 
 ……いや泳いでるから猛スクロールか? 半魚人並みの速さだ。
 
 後に残されたあたし達三人。
 
 しばし唖然とその背中を見送り。
 
 
『……ダメだこりゃ』
 
 三人同時に呟いた。
 
 
 
 
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