大嫌いでも大好きだから

そんなふうに雑談していると、
ふいに時計を見た先生は慌てて立ち上がった。

「先生?」

わたしは不思議そうに顔をあげる。


「ごめん。職員会議が始まるから、ちょっと待っててくれる?」

「は、はぁ」

そう言い終わる前に、
智美先生は保健室を飛び出して行った。


そういえば今日は木曜日。

木曜日は先生たちの職員会議がある日だから、
放課後もばたばたしているのだ。


わたしはポカンと扉を見つめる。

「はぁ…」

そして溜め息をついた。




そんな時だった。

「何溜め息ついてんの?」

「え?」



声がした。
聞こえた。

あのカーテンの向こうから。
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