lotlotlot2-ふたつの道-
「どうした?」
今度現れたのは、小さなエーマリリスだ。
「エーマリリスさん、大変なんだ。助けてくれ。」
「落ち着け。何があったんだ?」
「イバーエが倒れたんです。」
エーマリリスは、言葉人形が演じているイバーエを、具に観察した。
<なるほど。そう言う事か・・・。>
一瞬で、イバーエの症状を見抜いた。

「側に渡したリュックがあるな?」
「はい。」
「そのリュックの中に、赤い筒状のものがある。探せ。」
リーグは言われるがまま、リュックの中を漁った。言われたものは、すぐに見つかった。
「ここれですか?」
リーグが思っていたより、かなり、それは大きかった。だいたい一メートルくらいの長さだ。絨毯のようなものを巻き、筒状になっている。
「あぁ、それだ。それを広げ、イバーエをその上に寝かせろ。」
「はい。」
少し手間取ったが、なんとか寝かす事が出来た。
「それから、それからどうすればいいんですか?」
「もう、何もしなくていい。ただ、寝かせればいい。」
エーマリリスはそう言うが、リーグは不安だった。これはリーグの私見に過ぎないが、イバーエが倒れたのはフインズフーを呼び出した時の大量に流れた血が、大きく関係しているように思えた。
それがこれだけで治るとは、到底思えなかった。
「本当に、これだけでいいんですか?」
「あぁ。」
自信たっぷりのエーマリリスの返事を、リーグは信じるしかなかった。
< 15 / 87 >

この作品をシェア

pagetop