lotlotlot2-ふたつの道-
不安な助言
「イバーエ、イバーエ。」
差し込む朝日とリーグの声に、僕は目を覚ました。
「リ、リーグ・・・?」
頭がクラクラする。目は覚めているはずなのに、まだ夢の中にいるように体が重い。
「大丈夫か?」
僕の顔をのぞき込むリーグの顔は傷だらけだ。
「リーグこそ、大丈夫?」
「お前ほどじゃないよ。それにエーマリリスさんが、いい薬もリュックに入れておいてくれたからな。」
「そうなんだ。でも、薬が入っているなんてよくわかったね。」
僕は笑った。

僕が倒れた時、リーグは慌てた。けど、すぐに対応してくれた。リーグはかなり頭が切れる。

「そうだ、アイワイさんに聞けば、聞けば何かわかるかも・・・。」
アイワイさんと言うのは、僕たちが都会に行ってしまった時に助けてくれたエーマリリスさんの娘だ。とてもきれいで、どうやらリーグの事が好きらしい。
そんな事もあって、別れ際にプレゼントを渡していた。それが言葉人形だ。

リュックを開けると、それは一番上にあった。
「アイワイさん、アイワイさん。」
言葉人形はすぐに反応した。徐々に人の形になり、小さなアイワイがそこに現れた。
「リーグ君、どうしたの、その怪我?」
アイワイの元にも、リーグが持っているのと同じ人形がある。それは今のリーグと同じ姿をしている。怪我まで正確に、相手に伝えてくれる。
「あ、俺の事はいいんだ。それより、エーマリリスさんはいるかい?」
自分の事をそっちのけで父親の話をされ、アイワイは少し不機嫌になった。しかし、リーグのただならぬ様子に、素直に父親を呼びに行ってくれた。
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