lotlotlot2-ふたつの道-
嫌われた駅
駅に着いた。と言っても、ちょっとした木で出来た囲いがあるだけで、知らない人が見たらまず駅とはわからない。それが草原の真ん中に、ポツンと立っていた。
地面に飛び降りるように、列車を降りた。リーグはうまく降りれたけど、僕はバランスを崩して転けた。
「おいおい、イバーエ。しっかりしてくれよ。」
「そんな事言ったってさ・・・。この荷物重いんだよっ。」
僕の背中には、大きなリュックがあった。
僕はそんなに体が大きな方ではない。だから、大きなリュックを背負うと、まるでリュックだけが歩いているような状況になっていた。
「確かにな・・・。そりゃ、お前の体には大きすぎるかもな。」
リーグは笑った。
同い年で、そして同じリュックを背負っているのに、リーグは余裕だ。それは体が大きいからだろう。
顔もいいし、体も大きい。神様はなんて不公平なんだろう。僕はいつも思っていた。
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