lotlotlot2-ふたつの道-
偵察隊は乗り物酔いをする
おじさんを助けるためには、僕たちは死んでいるとした方が都合がいい。なぜなら、今の村長達は敵だ。おじさんを捕らえ、閉じこめたのだから当然だ。
その敵に、僕たちが生きていると知られたら、少なからずおじさんを救い出しづらくなる。
「で、どうすればいいの?」
僕は聞いた。
「実はさ、親父が閉じこめられているであろう場所は、おおよそ見当ついているんだよ。」
「えっ?」
「だって、こんな小さな村だぜ。そう言う事するのに適している場所って限られてこないか?」
「あっ。」
僕もわかった。リーグの言っているのは、間欠泉洞窟だ。それしか考えられない。
「間欠泉洞窟だね?」
「あぁ、そうだ。あそこなら、ピッタリだろ?子供の頃から、間欠泉が危ないから近づくなって言われてた。確かに間欠泉が吹き出して危ないけど、近づいちゃいけない理由はもう一つあったんだ。」
「そっか・・・。」
子供の頃から、じいちゃんにきつく言われた事に、こんな理由があったなんて考えもしなかった。
「で、どうやって助けるの?」
「イバーエ、お前はあの中に入った事あるか?」
「ないよ。じいちゃんに、絶対行ったらダメって言われてたから。リーグは?」
「俺もない。」
「えっ、ないの。そんな風に言うからてっきり・・・。」
目星がついているくらいだから、入ったことがあるものばかりだと思っていた。
「しょうがないだろ。親父がダメって言ってたんだから。」
「じゃ、中に入っても迷子になっちゃうよね?」
リーグは笑った。
「こう言う時こそ、言術だろ?」
「えっ?」
なんて行き当たりばったりなんだろう。不安になった。
それでも、おじさんを助けないわけにはいかない。まず、様子を伺う事にした。
「lot。」
しかし、何も変わらない。
リーグは聞いてきた。
「おい、またダメなのかよ?」
「違うよ。もうすぐわかるって・・・。あ、酔わないでね。」
「?」
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