lotlotlot2-ふたつの道-
「出てこいって言ったら、出てこい。」
その言葉が災いした。
「コリス。」
声が聞こえた。
「コリス?」
男には意味がわからなかった。
もう一人の男は言った。
「・・・に・・・げ・・・ろ・・・。」
「逃げろ?」
声が聞こえた時には遅かった。
足下が急激に冷たくなる。
「うっ・・・。」
慌てて足を動かそうとした。しかし、動かない。
「な、なんだ?」
しゃがんで、自分の足を触る。
「冷たい・・・。」
まるで氷を触っているかのように、冷たく、そして固くなっている。
さらに手を離そうと思っても、足に張り付き取ることが出来ない。
「取れろ、取れろよ。」
焦りが募れば、募るほど、男の体は自由を奪われていく。
男達の声は聞こえなくなった。
代わりに声の主が姿を現した。その姿はさながら、保護色を解除したカメレオンのようだ。洞窟の闇の中に、鮮やかなるるんぱの衣が浮かんだ。
「くっ、くっ、くっ・・・。」
笑い声も浮かんだ。

村への道をゆっくりと歩き出す。
すると再び、るるんぱの姿は消えていった。
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