lotlotlot2-ふたつの道-
間欠泉洞窟の入り口に、芽が生え始めた。それはグングン成長し、花を咲かせた。かと思えば、すぐに実に変わった。
なんて短い花の一生だろう。
実は大きく膨らみ、地面に落ちた。白と黒の実。それは紛れもない目だった。

「もうすぐ来るよ。」
リーグの顔を見て言った。それが急に別の景色に変わった。
「な、なんだ?イバーエ、これ、なんだ?」
リーグは驚いている。リーグの見ていた景色も突然変わったのだ。
「目だけ、間欠泉洞窟に飛ばしたんだよ。中の様子を探るだけなら、これで十分でしょ?」
「そりゃ、そうだけど・・・。うわっ、気持ち悪ぃ。」
「それくらいは我慢してよ。僕だって、かなりキているんだから・・・。それに・・・これからもっと気持ち悪くなるよ。」
「マジ?」
返事をする前に、景色は大きく動いた。

洞窟の前にいる目から羽が生えた。大きさは鳩の羽くらいだ。
それが羽ばたくと、目は高く舞った。軽く旋回し、洞窟の中に消えていった。

「本気でツライわ、これ・・・。」
今、リーグの表情を見る事が出来たら、げんなりしているに違いない。なぜなら、僕もそうだからだ。軽い眩暈の症状に似ている。
「でも、中の様子探らないと・・・。」
「わかってる。続けてくれ。」
リーグは何回もゲップをしながら言った。

洞窟の奥は、闇に包まれている。中に入ったのはいいけど、あまり様子を探れない。
ただ、何も見えないおかげで、酔いを和らげてくれる。
「何も見えないな?」
「そうだね、これだけ暗いとね。せめて、蛍灯を持たせれば良かったんだろうけど、そんな事したらかなり目立っちゃうからね。」
「そうだな。このまま行くしかないよな。」
目はどんどん奥へと飛んでいく。
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