lotlotlot2-ふたつの道-
森の中に誰かいた。イバーエとリーグ、二人の様子を覗いていた。
「好都合だな?」
「あぁ、この場が見えないなら堂々といける。」
そう話した。そして、森の中から男達は出てきた。手には棒を持っている。太く固そうな棒。かなり使い込まれている感じがした。

僕たちの沈黙は続いていた。
森の木々が風に揺れ、その音だけが、僕たちを包んでいる。そこに乱れた音が入り混んできた。
「リーグ、変な音聞こえなかった?」
「・・・。」
何も答えてくれない。
音は近づいてくる気がする。
「ねぇ、リーグ?」
「・・・。」
相変わらずだ。こう言う時、リーグは頑固で扱いにくい。
「ねぇってば・・・。」
その時、音が聞こえた。何かが空気を切る音だ。

男の一人が小枝を踏んだ。パキッと小さな音を立てた。マズそうな顔をしながら隣の男を見た。
<大丈夫だ・・・。気づかれてない。>
もう一人が合図した。
それからはより慎重に、イバーエとリーグに近づいた。
二人の後ろに着くや、持っていた棒を振り上げた。
鈍い音がした。
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