lotlotlot2-ふたつの道-
踊りは恐怖への贄
大きな家の前に、るるんぱは来ていた。
「さすが、村長の家だね。小さな家とはいえ、それなりに立派な佇まいじゃないか。まぁ、居城の代わりにはならないがな。」
少し残念そうな顔をした。
それから、笑った。
「いるんだろ?わわ、けけ。」
「はい、わわはここにおります。」
朱ずくめの女が、るるんぱの左に現れた。
「けけも、遊んでないで出ておいで。」
「るるんぱ様、もう少し遊んでたいです!」
けけはまだ子供だ。黒ずくめの少年が、るるんぱの右側に出現した。
「これから、たくさん遊べるよ。ここにはこの男が恨みを持つ者が、たくさんいるみたいだからね。せっかく体を貸してくれたんだ、言術使いを狩る前に、恨みくらいは晴らしてあげないとね。」
けけに言った。
「わっかりました。俺、たくさん遊びますー。」
「ところで、ねねとれれは?」
わわが聞いた。ねねとれれと言うのも、二人と同じように朱ずくめ、黒ずくめの衣装を纏っている。つまり仲間だ。その姿が見えないのを、わわは気にしたのだ。
「あの二人?」
「はい。」
「死んじゃった。」
わわの驚きは尋常じゃなかった。
「いったい、いったい何があったんですか?」
るるんぱに詰め寄った。
「敢えて殺されたとは言わないよ。二人の名誉のためにね。ま、油断したのはいけないけどね・・・。」
暗に殺されたと言っているようなものだ。
「まさか、言術使いに?」
「言わなくてもわかるよね?」
るるんぱの瞳には、怒りの炎がたぎっていた。それを見て、わわは理解した。
「そんな・・・。」
ねねとわわは姉妹だ。ねねは姉だ。わわは姉の死を悲しんだ。
「姉さんが死ぬなんて・・・あり得ない。」
しかし、それでも涙は見せない。ねねから言われた忠告を、こんな時もわわは守っていた。
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