lotlotlot2-ふたつの道-
扉が開くと、意外な人物が姿を現した。ズズカさんだ。
「ズズカさん、どうして・・・?」
リーグは聞いた。
「ごめんね。でも、怖くて・・・。」
「怖い?」
「そう、怖かったの?あなたのお父さんが・・・。この村で・・・あんな惨い事が出来る人がいるなんて・・・。」
リーグは黙って、話を聞いた。
「前にも話したけど・・・主人もね、あなたのお父さんを捕まえる時に、村長と一緒にいたの。あなたのお父さんは、主人の事を恨んでるでしょうね。」
「それは・・・かも知れません。」
「そのお父さんがいなくなったと聞いたら、あなたならどう思う?」
「えっ、いなくなった?」
「そう、いなくなったの・・・。そして、見張りをしていた主人は氷漬けに・・・。」
やはり、間欠泉洞窟に父は閉じ込められていたのだ。リーグは確信した。
「それをあなたのお父さんがやったとは思えない。けど、いなくなったのは事実なの・・・。村長や私たちの所にやって来ても不思議はないわ。当然よね、信じていた人たちに、あんな仕打ちされたら。」
どんな仕打ちをされたのかは、聞きたくなかった。
「つまり、俺たちは人質ってところですか?親父に対する。」
「ごめんなさいね。」
ズズカは肯定はしなかった。しかし、リーグに対する陳謝が、全てを肯定していた。
「な、なんで・・・。」
それ以上、口を開くことはなかった。
扉から出て行く時、外に村長の姿も見えた。たぶん、ここは村長の家の地下室か何かなのだろう。
その時、大きな物音が聞こえた。

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