lotlotlot2-ふたつの道-
梟が鳴く。
それを合図に、けけは聞いた。
「るるんぱ様、思い切り遊んでいいかな?」
「好きなだけ遊べばいいさ。ただし、殺しちゃダメだ。殺すのは絶望を感じさせ、恐怖を目の当たりにさせ、全てを放棄したいと思わせてからだ。そうじゃなければ、この男の恨みが晴れることはない。」
「わっかりましたー。」
梟はもう一度鳴く。
「ジ・ゴ・ダンス。」
けけは唱えた。
「これまた派手な呪文を唱えたね。」
るるんぱは子供のように目を輝かせ、けけに感心していた。
雲が集まる。月を隠し、完全な暗闇を生み出す。
そして、降り注ぐ。赤、青、緑、黄、橙。様々な色を帯びた雷が、村長の家の周りに降り注ぐ。
その衝撃に大地は揺れる。
岩は舞う。
木は怯える。
その様は踊っているようにも見えた。神の怒りを畏れた人間が、天に許しを乞うために踊る、そんな様のようだった。
「あははは・・・。」
けけは大笑いしている。
わわは寂しそうな無表情だ。
そして、るるんぱが口を開いた。
「行こうか?」
雷を気にする様子もなく歩き始めた。と言うより、雷がるるんぱを避けているようだ。頭上に落ちそうになると、急激に角度を変える。
「あははは・・・。」
少し離れたところを、けけは駆け回っている。
そして、その勢いで村長の屋敷の扉を蹴破った。
「けけ様、参上!」
扉は大きな音を立て倒れた。しかし、その扉の倒れる音も、けけの叫びも、雷鳴にかき消されていた。
「お、おい。シカトすんなよ。」
顔を赤くしながら、叫んだ。
けけの後から、るるんぱとわわが家の中に入ってきた。
るるんぱの姿を見た村長は、テーブルの下で驚愕した。
「ヨコヤ・・・。どうやって、出てきたんだ?」
同時に背中に冷たいものが流れる。どう考えても、自分に復讐しに来たとしか思えない。
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