lotlotlot2-ふたつの道-
結局・・・
どれだけ泣いたのだろう。わからない。ただ、永遠に止まらないと思っていた涙が枯れていた。
小さくなっていた記憶が、急に大きくなった。リーグの事だ。
<リーグを探さなきゃ。>
もう、遠くに言ってしまったかもしれない。それでも探さなきゃいけない。
村長の家を飛び出した。
赤色が見えた。見覚えのある赤だ。それが丘の方で光っている。
「あれは・・・エフス・・・?」
この村にあいつら以外の魔法使いがいるはずがない。あれはさっきのやつらがやっている。直感を信じ、僕は行動した。
「lot。」
地面をすべるように、僕は飛んだ。前に空を飛んだ時には、高すぎて降りられなくなったから、例え落ちても大丈夫なように低く、とても低く飛んだ。

アイワイは体が動かない。一つ目のエフスを打ち消した事で、完全に安心しきっていた。そんな時に二つ目のエフス。油断が体の自由を奪っていた。
だから、叫ぶ事すら出来なかった。
「!!」

距離を零にする。それくらいに、僕は速かった。あんなに小さかった赤が、もう目の前にある。そして、その側に人がいる。
「アイワイさん?」
ハッキリとはわからない。けど、助けなくちゃいけない。
「lot。」
アイワイさんを光が包む。
「・・・!?」
ふわりと浮かんだ。アイワイさんの手を、僕は思いきり掴んだ。今度は二人がすごい速度で、地面を滑る。
「イバーエ・・・君?」
「やっぱり、アイワイさんなんだね。なんで、こんな所にいるの?」
「そ、それは・・・。それより大変なのリーグ君が・・・魔法使いと一緒に歩いていたの。」
「リーグが?」
そう聞いた時、草原で激しい火柱があがった。
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