lotlotlot2-ふたつの道-
「知らないの?」
「知らないから聞いているんだよ。」
「ダンスって言うのは、雷を使う魔法だよ。」
それを聞いて、あいつが言った。
「そっちの女は少しは賢いらしいな。」
僕だけ蚊帳の外だ。
「?」
アイワイさんの方を見た。
「ダンスは他の魔法と違って耐性が必要なの。電気うなぎっているでしょ?あのうなぎが、自分の出した電気で感電する事はないよね?」
「うん。」
「でも、ダンスは違うの。我慢している。感電しそうな電流を強引に押さえつけて、自分の力としているの。だから、誰でも使えるってわけではないのね。」
「うん。」
「で、ここからが問題。本当に稀だけれど、耐性どころか電気を好む者、それを自らの力に変える者がいるの・・・。」
やっとわかった。
「この俺様は、その稀なやつってわけだ。お前の雷のおかげで、元気が漲ってしょうがないや。ははは・・・。」
僕を小馬鹿にしている。けど、何も言い返せない。
「これは礼だ。受け取ってくれよ。」
僕もアイワイさんも身構えた。
「ダンス。ダンス。ダンス。ダンス。」
時間差で、僕とアイワイさんに雷が放たれる。避けるのは難しい。たぶん、はじめのを避けたら、次のを避けられない。微妙な時間差と位置関係だ。
< 72 / 87 >

この作品をシェア

pagetop