lotlotlot2-ふたつの道-
うつろな記憶
「死んだね・・・。」
るるんぱは呟いた。
それを聞き、わわは言葉を失った。
「・・・けけが・・・ですか・・・?」
自分で聞いていながら信じられない。
「・・・うん。」
るるんぱも言葉少なげだ。
一緒にいるリーグは、何も言わない。ただ、うっすらと笑っていた。
それにわわが気がついた。
「なんだい、こいつ。笑ってやがるっ。」
そう言いながら、リーグの頬を思い切り叩いた。
「何、すんだよっ。」
突然殴られ、リーグも黙っていられない。
「あんた、今笑ってたろう?けけが死んだって言うのに・・・。」
「けけ?あぁ、あのガキの名前か。あいつが死んだところで、俺は痛くも痒くもないからな。むしろ大嫌いな魔法使いが死んでくれて、せいせいするのが普通だろ?だから、笑ってやったのさ。」
もう一度、わわは叩いた。
「痛いんだよ。」
我慢の限界だった。思い切り、わわの事をけ飛ばした。そこからは、まさに子供のケンカだ。取っ組み合いで殴り合っている。それが五分、十分と続いた。それでも終わらない。
さすがにここまで続くと、るるんぱも止めずにはいられなかった。
「いい加減にしなよ。」
でも、二人には届かない。
「ふぅん、やめないんだ。」
声色が変わった。それをわわは聞き逃さなかった。
<や、やばい・・・。>
途端にリーグから離れ、借りてきた猫のように大人しくなった。
「も、申し訳ありません。るるんぱ様。」
「わわはわかってくれたみたいだね。」
にっこりと笑う。しかし、それが逆にわわには恐ろしかった。
「いえ、軽率な行動をとりました。今後はこのような事はないようにいたします。」
額からは汗が溢れている。かなり緊張している証拠だ。
しかし、リーグには関係ない。そんなわわを罵った。
「何、良い子ちゃんになってるんだよっ。」
「・・・。」
わわは何も言わない。無視を決め込むつもりだ。
「シカトかよ。来ないならこっちからいくぜ。」
リーグだけが空気を読めていなかった。
「あぁ、面倒くさいなぁ。しばらくの間、反省してなよ。」
呪文を唱えた。
「ヤンス。」
リーグはそのまま動かなくなった。
< 80 / 87 >

この作品をシェア

pagetop