lotlotlot2-ふたつの道-
リーグは蛙が嫌いだ。種類を問わず、蛙と名がつくものなら全て嫌いだ。その大嫌いな蛙が右に左に、上に下に、見渡す限り蛙だらけに景色が変わっていた。
「う、うわあああああああ・・・。」
リーグにとっては、それはもう壮絶な光景だ。叫んでも、叫んでもきりがない位の恐怖が襲う。
「く、来るなぁああああ・・・。」
叫べば、叫ぶほど、蛙はリーグに近づいてくる。そして、ついにリーグの手に蛙が触れた。意識が遠くなる。そして、リーグはその場に倒れてしまった。

「いったい何を見せたんですか?」
リーグの倒れ方は尋常ではなかった。とんでもないものを見せられたに違いない。わわは気になり聞いた。
「さぁね。わわも知ってるだろ?ヤンスはかけた相手に苦手なものの幻を見せつける。でも、さっき会ったばかりだからね。苦手なものなんて・・・知らない。でも、この様子だと余程怖いものを見たんだろうね。」
るるんぱは笑っていた。
それがわわには恐ろしかった。
「・・・そうですね。」
それだけ言うと、それ以上は口を閉ざした。
「じゃ、いこうか?」
「こいつはどうしますか?」
るるんぱに聞いた。
「まさか倒れるとは思わなかったからね。そんなに強くかけたつもりもなかったし・・・。わわ、とりあえず背負って来てよ。大切な代わりの体だ。丁寧に扱ってね。」
「はい。」
大柄なリーグの体を背負うのは、華奢な感じのするわわには無理があった。それでも言われた通りにしたのは、るるんぱが恐ろしかったからだ。
<なんで、こんな事を・・・。>
そう思ったが、顔には出さなかった。
しゃがみ、何も言わずリーグを背負う。ここまではよかった。しかし、ここから立ち上がれない。
<な、なんて重いんだいっ。>
立ち上がろうとすると、リーグに引っ張られ、元に戻されてしまう。何度も同じように繰り返した。
「わわ・・・。」
るるんぱが催促をする。
「少しお待ち下さい。」
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