紅芳記

夜になり殿としばらく談笑した後、私は昼間のことがどうしても気になり、殿に尋ねました。

「殿、殿が側室を置かれるおつもりだと伺いました…。」

「…。」

殿はなかなかお答え下さいません。

「なに、私は反対など致しませぬぞ。
子が産めぬ以上、仕方のないことにございます故。」


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