紅芳記

私はその翌日から馬に乗ってよく城下に行くようになりました。

もちろん、父上や義母上、平八郎や侍女たちには内緒です。

城下には私の知らないことで溢れておりました。

そのたくさんのことを教えてくれたのは、商家の娘のなみでした。

はじめは姫だから気を使っていたなみですが、一緒に町を歩くようになってからはまるで幼い頃からの友のように話しています。


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