紅芳記
佐熊殿が帰ってから、大殿と京の御前様のもとに殿と二人で参上致しました。
「私は構いませんよ。」
「そうさのう。
源三郎には家のことは任せておるし、儂も共に上洛するかの。」
お二人は予想外にもあっさりと承諾されました。
「京に行くのは久しぶりですわ。」
それどころか楽しそうに大殿とお話されています。
お母上様は京の公家のお生まれ故懐かしいのでしょうか。
「源三郎、来月には京に向け出立するぞ。
準備しておけ。」
「なにも父上まで…。
わかりましたよ。」