紅芳記
文月八日の夜、世都から最初の書簡が届きました。
──その内容は、衝撃的なものでした。
一人で蝋燭の明かりのもと、書簡を開き今一度目を通します。
されど、やはり、事実は事実なのでございます。
本日、高野山に行ったはずの秀次様が伏見の城に来、太閤殿下に助命嘆願をしたそうでございます。
しかしながら、太閤殿下はそれを跳ね退け、秀次様は再び高野山へ行かされました。
つまり、秀次様は完全に罪人となられてしまいました。