紅芳記

浜松から上田城のある上野(コウヅケ)国までは、数日といったところでしょうか。

姫の駕籠です。

殿方の行列よりはゆっくりと進んで行きます。

ふじは駕籠、ほかの侍女たちは徒歩で付き従います。

私にとっては期待と不安が入り混じった、なんとも落ち着かない旅路でした。

天候には恵まれ、青空が私を見守ってくれているような感じが致しました。

そして、何事もなく上州上田城に到着したのです…。


< 73 / 454 >

この作品をシェア

pagetop