零の狼-新撰組零番隊-
「!」

緊張した空気を破るように、電子音が鳴った。

携帯の着信音。

私のものではない。

代わりに私の目の前で懐を探るのは一七夜月さん。

彼も一応は新撰組零番隊の隊士。

私と同じ浅葱色の携帯電話を支給されていたらしい。

「…一七夜月だ…ああ…ああ…今ここにいる。合流できたぜ」

平隊士に直接連絡をとってくるのは、恐らく躑躅森組長か、糺俊介(ただすしゅんすけ)組長補佐のどちらかだろう。

それにしても、上官に対しての口のきき方とは思えない。

「ああ…わかった…そういう事なら仕方ない…ああ…従う」

不服そうな表情を浮かべつつ、一七夜月さんは電話を切る。

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