零の狼-新撰組零番隊-
そんな躑躅森組長の目的を考えると、私の目の前を歩くこの男…一七夜月小次郎が、新撰組零番隊の思想に心から共鳴しているのかどうか、甚だ疑わしい。

軽薄で、浅慮で、志の高さを感じられない。

腕は立つのかもしれないが、一七夜月さんは新撰組にはそぐわない人材。

躑躅森組長が何故彼を入隊させたのか、私には正直理解できなかった。

そして、これから私達二人が合流しようとしている隊士もまた、新撰組に相応しくないのではないかと思われる人物の一人だった。

六郎面三郎。

年齢二十代後半。

躑躅森組長とは同期であり、零番隊に最も古くから籍を置いている隊士の一人である。

が、その振る舞いは躑躅森組長とは対極に位置する。

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