零の狼-新撰組零番隊-
西洋かぶれな銀髪に染めた、比較的長身の痩せた男。

常に殺気じみた危険な雰囲気を纏っており、同じ新撰組の隊士であっても、彼に近づく事は憚られる。

彼が最も嬉々とするのは、暗殺、殲滅対象の本拠地への突入任務など、血の匂いのする修羅場の時。

己の得物を駆使して、必要以上に斬り、過剰に武力を行使し、あまつさえ命を奪う。

私も人斬りで何度も命を奪った事はあるが、六郎面三郎のそれは、少々種類が異なる。

彼は任務で人を斬るのではない。

愉悦で人を斬っているのではないか。

同じ隊士の間でさえ、そのように囁かれるほどの狂気を、その身の内に宿しているかのように思えた。

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