ももとオレの30日
第一章 出会い
am:2:00
「じゃあな、慎」
「おう」

連れと飲んだ帰り、その日はどうも真っ直ぐ帰る気になれなかった。
酔いざましの缶コーヒーを片手に一度も行った事のない公園に足が向かっていた。

誰も居ない静かな公園。怖いというよりは、夏の熱さがなくひんやりとし気持ちいい感じがした。
たまには悪くない。
カサカサカサ…
「?!」
なんだ?

音のする方にそっと近付いてみると…
「く~ん…」
そこには薄汚い小さな子犬が脅えて縮こまっていた。動けなくなるほど脅えている姿を見ていると可哀想になり、一撫でして立ち去ろうとすると…
「く~んく~ん…」
か細い声でオレに
「助けて…」と言っている様な気がした。
これがももとの出会い。
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