ももとオレの30日
第二章 幸せ
薄汚い子犬を腕の脇に抱えたまま、コンビニでドックフードと牛乳を買った。
六畳一間のアパートは動物は禁止だけど…まぁしょうがない。

茶碗にドックフード、お椀に牛乳
子犬は牛乳に飛び付いた。余程腹がへっていたのだろう、たらふく飲んだ後ドックフードを匂っている、が、食べなかった。
牛乳で腹いっぱいか?
安心したのか部屋をウロウロしている。
「?!」
歩き方が変だ。
子犬を持ち上げ足を見てみると、前足の片方がプラプラなっている。…折れてるんだ。
しかし痛がる様子もなく、楽しそうに部屋を探索している。

明日仕事を早めに切り上げて病院に行ってみよう。

ピンポーン

こんな時間に来るヤツは一人しかいない。
「慎、シュークリーム買ってきたよ♪」
元カノの奈々子だ。
「来るんなら連絡くらい入れろよ。」

「はい、はい、あっ!犬?!かわいい~!!どうしたのぉ??」
勘高い声が狭い部屋に響く。
「しっ!今日公園で見つけた。」

「へぇ~、超人懐っこいねぇ☆かわいい~、でもかなり汚れてるね、洗ってあげたら?」
実家で犬を飼っていたらしく、いろいろ教えてくれた。
「犬は猫と違って自分でキレイにできないから、人がしてあげなきゃダ
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