ももとオレの30日
第五章 田舎
逃げる様に父方の田舎に行った。

市内から車で二時間近くかかる、ヘンピで何もない町。


ばぁちゃんはそこいらでは有名な地主で、銀行に自分で行った事がないくらいの金持ちだ。



知り合い一人いないそんな小さな町で奈々子と出会った。


オレはろくでなしだから、年上でしっかり者じゃなきゃ手におえないんだ。


一人ぼっちの寂しい心に暖かい温もりが流れ始めているみたいだ。

人間にとって親の愛、友達との友情、人を愛し愛される事…とっても大切な事なんだって、なくした時に初めて知るんだ。


一つ一つ取り戻していこう。

奈々子のおかげでそう思える様になれた。
< 10 / 11 >

この作品をシェア

pagetop