ももとオレの30日

やっとそう思えたのに…。


ばぁちゃんの知り合いの小さな町工場で八時五時で働くオレと比べると、かなり不規則な仕事をしていた奈々子が帰れるのは夜中の一時。

それに合わせて毎晩出ていくオレをばぁちゃんは良いように思っていなかった。


「毎晩毎晩何してんだい!あのクサレ女めっ!!」

何が気に入らないのかは今でもよくわからない。
仕事には遅刻もせず真面目に働いていたし、働きはじめたばかりのオレから家賃や食費代に七万も取られてたし文句を言われる筋合いもないと思っていた。

それをよそに付き合いは続いていた。
が、嫌がらせは続いた。
帰ってくるとカギをかけて入れなくしてみたり、オレの荷物を全部外に出してみたり…。

そんな嫌がらせの中、町工場が不渡りを出した。

「すまねぇが、しばらく給料が払えそうにねぇんだ、申し訳ねぇんだが、耐えてくれや!」

耐える?

無給で働けってか?

ウンザリだ。


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ももとの出会いは必然的なものだったんだ。 今でもそう思ってる。 第一章 出会い AM2:00 「じゃぁな、慎」 「おう」 その日は連れと飲んだ後真っ直ぐ家に帰る気になれなかった。 酔いざましの缶コーヒーを手に持ち、一度も行った事のない公園に勝手に足が向かっていた。 ヒトケのない公園は、夏の熱さがなく、ひんやりとしていて気持ちがいい感じがした。 たまには悪くない。 ガサガサガサ 「?!」

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