【短編】キミと、あたし。
アミとテツが付き合いだしたのは、9月の学校祭の時だった。
「今日、告白したいんだけど…楓、付いてきてくれない!?」
当日の朝、準備でバタバタしていた教室の外で
今にも泣き出しそうな顔のアミに手を握られてしまった。
「なん…で?大丈夫だって!」
「ううん…。不安なの。どうしようもない位、不安…。
でも、何かきっかけが無いと告白できる気がしないの!だから…」
お願いだよ。
まつ毛を伏せた彼女。
カタカタと手が震えている。
―――――ずるいよ、そんな顔するなんて。
いつもそう。
その顔で、あたしに頼みごとなんてしないで。
じゃないと
断れるわけ、無いじゃない………