甘いクスリ
渋々ギターをとりあげる。

あの時の練習が
よみがえる。

あれ、気持ちよかったんだよな。

とある衝撃を除けば。


メロディラインと
高低のパート分けをして
二回ほど合わせたんだけど

『やっぱ、ケツは
鷹尾君だろう。
コレは、君にあげよう。』

狩野さんが譲った見せ場

何小節にもわたる連譜は
決まれば目茶苦茶、
格好いい。

あの難所を、
芸術の域までの完成度で、
弾ききった鷹尾は、
すごかった。

同じ職業人として
羨ましかったし
悔しくもあった。


今でも、こっそり
練習してるとか・・・
いわねーもんっ・・・


ま・・・


若気の至り・・・

ともいえる
ソロでもあったが(←ヒガミ)
なんにせよ、すごかった。

きっちり、真月も、
惚れたようだし。

思うがままだったな
鷹尾君(^^)


・・・に、しても 
鷹尾のどのへんが
ツボだったんだろ?都筑は。


「先生、どうしたの?」

都筑が、
なんとも、不思議そうな
表情をしていた。


やべっ。
何でもないからって
苦笑して、ワンコーラスだけ弾いた。


 




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