甘いクスリ
 

マリの言葉に、

小さく
息をのんだ。


彼女は、言いたい事だけ
吐き出して、走り去る。


ハンドルに突っ伏して
バックミラーに
小さく映る車を
呆然としながら見送った。


結局、俺は
 

マリに、なんにも
してやんなかった。


最後まで。


それどころか、
こんな 二の足踏んでる
背中まで押してもらってる。
再びーーーー



俺は、何をしてる?



誰かに

何かを


貰ってるだけ?



与えてやれないの?



マリにも








琴・・・子
にも





 
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