甘いクスリ
いやぁ・・・
まさかの展開
念のため琴子に
立ち弾きさせてて
ヨカッタ
急遽、全員で立ち位置と
ソロのステージングを
確認をする。
不安気な琴子を尻目に
全員やる気をみなぎらせている
「琴子、大丈夫だから。
笑って?一緒にいるから。」
表情を強張らせて、
フワフワのスカートに隠して
キュッと生地を握りしめる
彼女にコッソリ声をかける。
首を縦に数回振り
分かってるって
彼女は答える。
でも・・・
何だか、このまま
泣き出してしまいそうで。
どうしようもなくて。
小刻みに震える細い指を
皆に見えない様に
そっと掌に包み込んだ。