甘いクスリ

 
「おつかれ。
ずいぶん、へこんでるな。」

真月さんに、玉砕された
私をみて、堂野先生は苦笑する。

なんで、そんなに
嬉しそうなのよっ?


人生とゆうか、
全ての取組方において、
私は、間違っていると
いうか・・・
流されてるというか・・・
やるべき事をしてないと
言われたような気がする。


・・・鷹尾真月、
おそるべし。


結構な台詞だったのに
あんだけサックリ言われれば
逆に男前に見える。


そう。
一言でいえば男前なんだ。
あの人は。


だから・・・

「嫌いじゃないんですよね。
ああいう人。」

「だから、鷹尾君も、
惚れたんだと思うよ。
都筑、真月と、やってみたら?
めっさ、経験値あがるよ?」


・・・イベント参加者に、
バンドのメンバーの指名は
できませんって、
さっきのレッスンで、
皆の前で説明してたじゃん。


「その気、あんなら、
いろいろ裏の手使うけど?」

「裏の手?」

「真月を罠にハメますが?」

言って、彼はニッコリ笑う。


・・・この人って


基本的に
サプライズとか
トラップが好きなのよね。


多分、こういいだした所で
なにか考え始めてるんだ。


子供みたいな
笑顔を見ながら
そう、思った。




 
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